アレキサンドライトレーザー脱毛とは?

医療機関とエステの脱毛の違い

美容系医療機関(美容皮膚科・美容外科・美容クリニック)で採用されている脱毛方法は主にレーザー脱毛です。一方、エステサロン・脱毛サロンでは、光脱毛です。IPL脱毛やフラッシュ脱毛などの名前になっているところもありますが、基本となる仕組みは光脱毛と変わりはありません。
レーザー脱毛であっても、光脱毛であっても、光のエネルギーで毛母細胞を破壊することでは同じです。ただし、レーザー脱毛のほうが必要な光を効率よく作り出し、出力も高いので、脱毛効果も一段上です。

永久脱毛できるのは医療機関だけ

光脱毛ではターゲットとなった毛根や毛母細胞は70度程度までしか上昇しません。レーザー脱毛なら200度です。
70度ではとりあえずは脱毛できても、施術完了後5年10年たつとヒゲ・ムダ毛が再生する可能性があります。200度なら二度と生えてきません。
痛みが少なく料金も安くて済むので、光脱毛のほうがどちらかといえば一般的です。しかし、永久脱毛といえるのはレーザー脱毛の方だけです。また、レーザー脱毛の場合、痛みの強さは麻酔を利用することで和らげることもできます。
こういったことを理解する人も増えてきたのか、レーザー脱毛も人気が高まりつつあります。

特徴

レーザー脱毛の機種の種類

レーザー脱毛に使用する脱毛装置にもいくつもの種類があります。それぞれの特徴をとらえるには、「どの波長のレーザー光が使われているか」で考えるといいでしょう。
・アレキサンドライトレーザー
宝石の一種・アレキサンドライトを人工的に作ったものを発光部分に使っているものをいいます。
光の波長は755ナノメートルです。一般的な日本人の肌色に最も適している波長とされます。ただ、産毛などほそめのヒゲ・ムダ毛には効果が薄い場合もあります。
ジェントルレーズを代表として、機種がたくさん揃っているのもアレキサンドライトレーザーの特徴です。
・ダイオードレーザー
ダイオードは日本語でいえば半導体です。発光部分に電子回路などでよく使われる半導体を利用し、810ナノメートルの光を発生させます。
脱毛に使うレーザー光は波長が長いほど効果がやや弱くなるものの、皮膚のお奥にまで到達します。日焼けしていたり、もともと皮膚の色が濃いめの人にはこちらがおすすめです。トラブルが少なく脱毛できるでしょう。
・ヤグレーザー
ヤグとは「イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium Aluminum Garnet)」の略で、その名前にあるようにアルミニウムなどで作る人工的な結晶です。これで作り出すレーザー光の波長は1,064ナノメートルです。
ダイオードレーザーよりもさらに深いところに到達させることができます。特別に毛根と毛母細胞が深いところにあるなど、やや特殊な肌質・体質の人の脱毛に用いられます。
・それら以外
最近では、ここまでに挙げた波長のレーザー光を複数使うような機種も開発されています。ソプラノアイスプラチナムやメディオスターNeXT PROなどです。ただ、これらを導入しているところは大手の美容系医療機関でいえば聖心美容クリニックや湘南美容クリニック、ゴリラクリニックぐらいで、まだ多くはありません。
また、これらの機種では発熱させる対象が毛根や毛母細胞ではなく、それらよりも浅い部分にあるバルジ領域であることは見逃してはいけません。「ここから毛母細胞に指令が出ている。バルジ領域の機能を止めることで、発毛機能も止まる」という仕組みです。
皮膚への負担が少ないなどのメリットはあるものの、脱毛効果を疑問視する声もあります。用心深くいくなら、もう少し評価の定まるのを待ったほうがいいでしょう。

アレキサンドライトレーザーの出力は

参考のためにいえば、光脱毛の場合、600ナノメートルから1,000ナノメートルぐらいの波長が入り交じっています。また、一定方向に飛ばすことが難しく、発生した光の一部しか使うことができません。しかも、もともとのパワーも弱いです。
レーザー脱毛の場合は、いくらでもパワーを上げることができます。ただ、そうなると温度が上がりすぎ、皮膚が負担に耐えられません。冷却装置も工夫されてはいるものの、効果には限りがあります。皮膚への負担と脱毛効果のバランスを取って光照射量が決められます。

アレキサンドライトは効果ある?

もし、一般的な毛質・肌質で普通の出力で光照射するのなら、最も効率よく脱毛できるのはアレキサンドライトレーザーです。日本人女性の一般的な肌の色に合っているのです。
そのため、美容系医療機関の多くは、まずはアレキサンドライトレーザーの脱毛機器を用意しています。この1機種だけのところも決して珍しくありません。残りのふたつがあるとすると、「対処できない場合に備えて、アレキサンドライトレーザーにプラスして」となっているのが普通です。

回数はどれくらい?他の機器と比べて多い?少ない

一般的な肌質であれば、もっとも少ない施術回数で済むのがアレキサンドライトレーザーです。部位にもよりますが、コース制であれば美容系医療機関では6回前後で設定していることが多いでしょう。
もうひとつ見落とせないのが、「必要回数に個人差が少ない」です。5回となっていればその5回、6回となっていれば6回でほとんどの人が終わります。もし、追加の施術が必要になっても1回やれば大丈夫でしょう。
これは光脱毛と比べた場合にとても大きなメリットです。光脱毛の場合、当初に示される必要回数自体、10回や12回などレーザー脱毛よりも多いです。しかも、施術の効果の出方に個人差が大きく、この1.5倍や2倍かかることも珍しくありません。もちろん、その分期間も長くかかります。
回数が少なく済むだけではなく、先の見通しも立てやすいのがレーザー脱毛なのです。

顔脱毛の場合

顔脱毛の場合も多くは6回程度でコース設定されています。ほぼこの回数で終わると考えていいでしょう。
ただし、特に女性の顔脱毛の場合、ほとんどが産毛の処理なのでこれだけは要注意です。アレキサンドライトレーザーはやや苦手にしています。毛根なども小さい分うまくレーザー光線のエネルギーを受け止めされることができない場合があるのです。
カウンセリングの段階でよく説明を聞いておいたほうがいいでしょう。

VIO脱毛の場合

VIO脱毛の場合も、もちろんしっかりと効果を発揮します。ただし、問題になるのが痛みやお肌の荒れです。VIO部分の皮膚は粘膜に性質が近く、レーザー光照射のダメージが大きめに出てしまうことがあります。
痛みだけなら麻酔を使うことで対処できます。肌荒れの場合は、光照射の量を減らして施術をすればいいでしょう。ただし、この場合脱毛効果が弱まるために完了までの施術回数が増えます。

脇脱毛の場合

ワキのムダ毛は太くて濃いことが多いです。そのため、施術回数も多くなり期間も長くなるように思う人もいるようです。アレキサンドライトレーザーはこういったムダ毛のほうがしっかりと効果を発揮します。コースで設定されている当初の回数で終わることが多いでしょう。

顔脱毛に効果ある?

アレキサンドライトレーザーを受ける人の最大の目的はもちろん、ムダ毛処理でしょう。しかし、それ以外にもお肌に対していくつかのプラスがあります。

美肌になるって本当

美肌効果が期待できるのは本当です。ただし、これはアレキサンドライトレーザーに限りません。脱毛処理することで毛根ができなくなり、毛穴が小さくなります。それにしたがって、毛穴の開き口も狭くなり、お肌がツルツルに近づきます。

シミがある場合は大丈夫?

それほどひどくないシミ・ソバカスなら問題なくアレキサンドライトレーザーによる脱毛ができます。それどころか、ある程度はシミ・ソバカスの治療と同じ効果が期待できるかもしれません。
このアレキサンドライトレーザーはシミ・ソバカスの治療にも使われます。これらの色が濃いのはメラニン色素のためで、アレキサンドライトレーザーでそのメラニン色素を高温にして焼き切ってしまうことができるのです。
ただし、同じアレキサンドライトレーザーといっても、最初からシミ・ソバカス治療が目的の場合に使わるのはQスイッチといって、照射時間が極めて短いタイプです。脱毛の場合とは異なるのです。
脱毛のための光照射でシミ・ソバカス治療がどのくらい期待できるかは、その人の肌質・体質にもよります。期待しすぎず、「うまくいったらもうけもの」ぐらいに考えていたほうがいいでしょう。もし、こちらの効果が不十分なら後からでもシミ・ソバカス退治のための施術を申し込めばいいでしょう。
ただし、かんぱん(肝斑)の場合は別です。シミ・ソバカスの一種に数えることも多いものの、原因も治療方法も別です。アレキサンドライトレーザーによる脱毛も控えたほうがいいでしょう。

ほくろがある場合は大丈夫?

ほくろがある場合もそれほど問題にはなりません。数が少なく、大きさも小さく色も薄ければ、そのままレーザー照射する場合もあります。もしかしたら、それでほくろに含まれるメラニン色素が反応して、ほくろが薄くなるかもしれません。
しかし、一般的にはほくろの上にシールを張ってレーザー光が当たらないようにします。これで大丈夫でしょう。
医療脱毛したらほくろって消えるの?

まとめ

脱毛やアレキサンドライトレーザーにかんする情報をネットで集めている人も多いかもしれません。美容系医療機関のホームページや体験者の口コミをチェックするだけでもかなりの情報が集まります。出だしはそれでいいでしょう。
ある程度済んだら、次はカウンセリングに行きましょう。ほとんどのところで、電話やネットで簡単に時間が予約できます。無料で、ていねいな説明が受けられ、簡単な体質・肌質のチェックもあるでしょう。ネットだけではわからなかったことや、実際に施術する場合に自分なりに注意しなければいけないことがはっきりするはずです。
そうやっていくつかの美容系医療機関を回ったら、それらのうちもっとも満足の行くところを選ぶようにするのが、トラブルの少ない脱毛の進め方です。