脱毛はもはや特別なものではなくなりました。気楽に考えられるようになった分、脱毛の施術の予定があっても、その前後への配慮もなくなりがちです。しかしこれは失敗の元です。

その一例がお酒です。酔った状態で施術を受けたり、施術の影響が残ったりしている状況でお酒を口にするのはやめておきましょう。

脱毛前に飲酒するとデメリットがいっぱい

脱毛前日にお酒を飲んでもいいの?

施術を受ける前後にお酒を飲んではいけない理由はいくつもあります。
最大のものが、「血行がよくなりすぎ、体温も上昇する。光照射による熱で、ただでもお肌に赤み・はれ・かゆみが出がちなのに、さらに悪化する」です。

エステサロン・脱毛サロンで一般的な光脱毛(IPL脱毛、フラッシュ脱毛)であっても、クリニックで一般的なレーザー脱毛であっても、光のエネルギーで毛母細胞にダメージを与えることでは同じです。みようによっては、ごく狭い範囲限定ではあるものの軽いヤケドをさせているのと変わりありません。できれば冷やすなどして、肌を鎮めるのが本来です。

もちろん、血行がよくなりすぎることでのダメージは全身に及びます。1回あたりの施術範囲が広いほど、トラブルが出がちで、その面積も広いです。全身脱毛の場合、1回の施術で全部位を光照射するところもあれば、4分の1程度に抑えるところもあります。どちらであっても施術前後の飲酒はNGで、全部位を光照射するような場合は特に気をつけるようにしましょう。

12時間がポイント

脱毛エステの最大手、ミュゼ(ミュゼプラチナム)のホームページでは、飲酒についての注意書きも載っています。

Q:お手入れができない条件などありますか?
A:前後12時間以内の飲酒

午前中から飲む人はまずはいないので、「前後12時間以内」は、「飲むのなら施術の前日の夜までか、翌日の午後以降」と考えていいでしょう。
厚生労働省が出しているアルコールの分解速度は、男性の場合で1時間に9グラム、女性で6.5グラムとしています。

これには個人差がある上、そのときののコンディションでも変わります。
これをビール中ビン1本での摂取アルコール量は20グラム程度なので、分解するのに男性なら2.2時間、女性なら3時間ほどかかります。2本ならそれぞれ4.4時間と6時間必要です。
よほど深酒をしない限り、翌日の午後にはアルコールは抜けていると考えていいでしょう。

脱毛の何時間後から飲酒はOKなの?

ただ、これさえ満たせば大丈夫ともいい切れません。もちろん体質にもよりますが、少々お酒に強い人でも、二日酔いするぐらい深酒をしていると、アルコールこそ抜けたところで体へのダメージは残っています。少しの刺激でも敏感に肌は反応するでしょう。炎症など光照射による肌トラブルも大きくなります。

施術後も同じです。アルコールの影響によるコンディションの悪化はお肌の回復を遅らせるでしょう。ミュゼで示している「12時間」はあくまでひとつのめどです。見た目には赤みやはれはなくなっているかもしれないものの、決してそう簡単には光照射のダメージから抜け出したとは考えないほうがいいでしょう。

特に施術を始めて間もないときは、毛根ひとつひとつが大きい上に数も多いです。その分光照射による肌への負担も大きくなっています。慎重に考えたいものです。

脱毛当日に飲酒した人の声

・医療レーザーで太ももを脱毛しています。麻酔をしているせいか、痛みはほとんど感じません。
これが逆によくなかったみたいです。午前中に施術を受け、午後に忙しくしているうちに、施術を受けたことなどすっかり頭の中から飛んでいました。500ミリリットルの缶ビールを1本飲んで数時間後、気がついたら太ももがまだら模様に。特に毛穴の部分が赤くつぶつぶになって盛り上がっていました。
どうしていいかわからず、とにかく水を飲みました。「早く酔い覚ましをしなければ。汗でも尿でもいいからとにかくアルコールを体から追い出す」といった気分です。
幸い次の日にはなんともなくなっていました。でも、もうこりました。二度と施術してすぐには飲まないと思います。
(O・S 31歳)

・今まで何度かフラッシュ脱毛の施術を受けていて、全く問題がありませんでした。脱毛サロンからは「お酒は飲むな」「激しい運動も背術の前後12時間は禁止」「肌を乾燥させるな」などと説明されていたけども、「まあ、念のためにいっているんだろうな」ぐらいに思っていました。
それである時、施術のすぐ後に飲み会の予定を入れました。ところが、ワインやビールを飲んでいるうちに、なんだか腕がかゆくなってきて……そでをまくってみると、今まで見たことがないぐらい真っ赤に。ちょうど光照射を受けた部分でした。
ぬれたお絞りで冷やしたけども、あまり効果はありません。途中で抜けさせてもらって家に帰って氷水などでも冷やしました。「朝になったら、脱毛サロンに連絡を入れて対策を聞こう」と思って寝ました。幸い、翌朝にははれは引いていました。「このまま跡が残るのかも」と怖かったです。
(K・I 26歳)

脱毛した翌日は飲酒はどう?

「施術の翌日であれば、飲酒もOK」としているエステ・脱毛エステやクリニックは多いようです。ただし、これは「何もトラブルが出ていなければ」という条件があるものと考えましょう。

光照射の影響で、赤みが出たり肌が荒れたりしているところに、お酒が入るとそれらが悪化するのは目に見えています。

ミュゼで脱毛前に飲酒すると断られるって本当?

ミュゼ

 

実際にそうなった人の体験談は見当たらないものの、「アルコールが入った状態では施術を断られる」というのはほぼ常識になっています。ミュゼもこの例外ではないと考えておきましょう。

理由はいくつも挙げることができます。もちろん、「お肌がトラブルを起こす可能性が高い」というのが最大の理由です。光照射の痛みが原因になって吐き気などを催す可能性もあります。

また、赤ら顔でアルコールのにおいをさせて人に接するのはマナー違反でもあります。

自分自身のためにも、ほかのお客さんやお店の担当者のためにも、アルコールが入った状態でお店に行くのはやめておきましょう。

まとめ

部位や脱毛方法、お店の方針にもよりますが、2カ月程度間を空けて何度も通います。たまには「施術を予定していた日に、急に飲み会の予定が入った。参加しないわけにはいかない」といったことも起こるでしょう。そういった場合は、迷わずに施術を先延ばししましょう。

「いつまでならキャンセル料が発生しないか」はお店によって異なります。急な飲み会などが多そうな人は、最初からキャンセル料が発生しない・予約変更がしやすいといったお店を選ぶようにしましょう。

また、中には「もうお肌が鎮まった思ってお酒を飲んだら、施術跡が真っ赤にはれあがった」といったことになる人がいるかもしれません。まずは、お店に連絡を取って指示を受けるようにしましょう。
もし、しばらく自分で様子を見るのなら、手当はヤケドと同じです。氷などで患部を冷やし、軟膏を塗ります。とはいえ、それも症状によりけりです。本当にダメージがひどいのならそのときは、皮膚科に行かなければいけません。