脱毛エステや脱毛クリニックでは、「お肌に優しい脱毛方法」が強調されていることが多いです。しかし、これは、「以前のものに比べて」ぐらいに考えておきましょう。
エステで行われる光脱毛(IPL脱毛、フラッシュ脱毛)であってもクリニックのレーザー脱毛であっても、光のエネルギーを熱に変えて毛穴の奥の毛母細胞などを破壊します。
周辺の肌細胞への負担はやっぱり大きいです。
脱毛後に運動したいけどダメなの?
その負担がかかったお肌へのダメージをさらに拡大するのが運動です。
・体温が上がる
=毛母細胞やその周辺は軽くヤケドした状態です。ヤケドの治療としては何をおいても冷やすことです。運動をして体温を上げるのは全く正反対の対処方法になります。
・血行がよくなりすぎる
=血行をよくすることで、肌の再生を促すこともできます。しかし、これは通常のコンディションの場合です。肌は熱によってダメージを受けています。赤みが増したり、肌が荒れたりする可能性のほうが高いでしょう。こうなると回復にもさらに時間がかかります。
・肌の衛生状態が悪化
=流れ出た直後の汗には雑菌はわいていません。しかし、汗は雑菌の大好物なので、少しでも放置するとすぐに大繁殖が始まります。いつもなら問題はなくても、かゆみ・炎症などの肌トラブルが簡単に出てしまいます。
具体的には「運動した後、しばらくしたら光照射を受けた部分が、真っ赤にはれあがっていた。かゆくてかゆくてたまらない」といったところが典型的な症状でしょう。
脱毛後は冷やしたほうがいい
基本的に肌に熱を与えて、軽い火傷をしている状態です。全身脱毛をした場合、1日で複数個所を施術する場合などもカラダへの負担は大きいです。
運動するなどもってのほか、身体を冷やしてダメージを回復させるのが第一!と言えます。
また脱毛後にやってはいけないこととして、
お風呂に入る、飲酒、日焼けも上げられます。アフターケアをさぼることで、ヒリヒリした痛み、赤みがなかなか直らないなどの、いろいろなトラブルに繋がります。
脱毛後の運動はいつからOKなの?
では、「いつからなら運動して大丈夫なの?」でしょうか。
これは体質や脱毛方法、全身脱毛か部分脱毛か・部分脱毛でもデリケートな部位が含まれているかどうかなどもよりますが、最短3日、できれば1週間後がひとつのめどです。
脱毛へ通い始めの時は特に慎重になりましょう。
光照射でダメージを与えなければいけない毛根・毛母細胞も数が多いだけではなく、ひとつひとつが大きいです。その分、肌への負担も大きくなります。回数を重ねるごとに、脱毛の肌への負担が減ってくるので、運動も大きな負担にならなくなります。
医療レーザー脱毛の翌日は運動しても大丈夫?
「エステの光脱毛でもクリニックのレーザー脱毛でも同じように光のエネルギーを使う」といっても、使う光の性質がかなり違います。
光脱毛で発生させる光は、いろいろな波長がまじっていて飛ぶ方向も一定ではありません。フィルターを通すことでその一部だけを使い、せっかく発生させた光を無駄にする割合が高いです。レーザー脱毛の場合は、最初から必要な波長だけを作ることができ、しかも狙ったところに正確に当てることができます。
こういった効率の違いがあって、光脱毛の場合は毛根・毛母細胞は70度程度までしか上がらないのに対し、レーザー脱毛では200度ぐらいにまでなります。脱毛効果は高いものの、それだけ肌への負担も大きいです。
施術後の運動はレーザー脱毛のほうがいっそう慎重になったほうがいいでしょう。もちろん、これも回数を重ねるごとに負担が少なくなり、運動再開までの日数も短くできることでは光脱毛と同様です。
脱毛後のウオーキングはどう?
「脱毛後は激しい運動は控えましょう」といったようにエステやクリニックは指導しているはずです。なかには「筋トレのような激しいものでなければ禁止ではないだろう」とウオーキングやヨガに目を向ける人もいるようです。
問題になるのが「どの程度なら激しくないのか」です。
たしかに軽めで済ませておけばウォーキングをやっても、脱毛直後でも問題が起きない場合があります。
そこで思い出してほしいのが、問題が起きる原因が「体温が上がる」「血行がよくなりすぎる」である点です。もし、このどちらもが起こらない程度の体の動かし方なら、運動としての効果もあまり望めません。
「リスクがあるのに無理に都合をつけてまでやるほどのものではない」「数日はおとなしく待ったほうがいい」ともいえます。
プールや水泳は大丈夫?
「水泳なら大丈夫かも」と考える人もいるようです。「水につかるので体温が上がらない」というのです。しかし水泳はかなり激しい全身運動なので、血行はかなり激しくなります。体温が上がらないのは水につかっている間だけで、その後はいつもよりも高くなります。
また、プールの水には消毒のために塩素が使われています。この塩素は肌を刺激する上、それでも消毒しきれていないのが普通です。肌に問題を起こす確率はかなり高いでしょう。やめておきましょう。
顔脱毛やヒゲ脱毛した後の運動は?
これらの話は顔脱毛やヒゲ脱毛でも同じです。それどころか、ヒゲ脱毛の場合はさらに気をつけなければいけない理由がいくつもあります。
まず、トラブルになったときの目立ち方がボディーとは格段に違う点です。服などで覆うことがありません。赤くなったりはれあがったりした状態をそのまま人目にさらすことになります。シミやアザになった場合の気分的なダメージもボディーよりもはるかに高いでしょう。
また、やはり服などで覆っていない分、紫外線も常にダイレクトに受けています。ウオーキングや、スイミングでも屋外プールを利用した場合、ただでもダメージを受けている顔の肌にさらに日焼けの悪影響が加わることになります。
ボディーの脱毛以上に運動再開までの日数を考えたほうがいいでしょう。
脱毛後にホットヨガは大丈夫?
脱毛当日のホットヨガ
ヨガは普段体を動かしていない人でも始めやすく、今大人気です。
「貴重なお休みの日を使って、ホットヨガと脱毛を1日で済ませる」といった考え方をする人もいるかもしれません。
たとえどっちが先でどっちが後になってもやめておきましょう。高温・多湿のスタジオで行うため、これほど身体全部が「体温が上がる」「血行がよくなりすぎる」ものはありません。激しい運動と同じように考えておきましょう。
脱毛後のホットヨガはいつからOK?
熱でダメージを受けた肌が落ちつくのを待ってからにしましょう。
単に「赤みがとれた」だけではだめです。乾燥気味になるなど、肌の中がまだ回復していない可能性が高いです。やはり、脱毛の処理をしてもらってから最低でも3日、体質・肌質によってはそれ以上空けたほうがいいでしょう。
ミュゼでは脱毛前後の運動はなんて言われる?
脱毛サロンの人気店にミュゼ(ミュゼプラチナム)があります。このミュゼでもホームページには施術(お手入れ)について数々の注意が掲載されています。運動についての部分だけ抜き書きすると、次のようになります。
Q :お手入れができない条件などありますか?
A:当日は 、 運動や発汗を促す行為(シャワーは使用可能)
■入浴 ■サウナ ■スポーツ ■エステ ■マッサージ ■温泉 ■岩盤浴 ■海での遊泳 ■ 飲酒等の 体温上昇
Q :お手入れ前・当日の注意点を教えてください。
A:お手入れ前・当日は以下の点にご注意ください。
■体温が上昇すること(エステ・マッサージ・入浴・スポーツなど)
Q :お手入れ前後の運動は控えたほうが良いですか?
A:基本的に、お手入れ当日の運動はお控えください。
繰り返し書かれていることをみると、かなり気にしていることが理解できるでしょう。
まとめ
話を繰り返すと、やってはいけないことのポイントは「体温が上がる」「血行がよくなりすぎる」です。
こうなるのは、運動に限りません。ミュゼの注意書きにあるように、お酒を飲む・サウナに入る・マッサージを受ける・風呂に入るなども同様に禁止されています。やはり、施術当日や施術後数日間はやめておいたほうがいいでしょう。
だからといって、脱毛は危険なものではありません。トラブルに遭いたくなければほんの少しの注意をすればいいだけです。